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​はじめに

 辛亥革命100周年を迎えるに当り財団法人孫中山記念会は、国際シンポジウム、特別展「日本と孫文」、第3回山口一郎記念賞授賞式の開催とあわせて「孫文・日本関係人名録」の刊行を決めました。そして、このうち、「孫文・日本関係人名録」の編纂は、孫文記念館の担当とされ、以来計画の実現を目指して鋭意取り組んできました。

 孫文(1866-1925)は、前後約9年間、日本で活動し、生活していました。この間、一体どれほどの日本人が孫文と関わったのでしょうか、一度調べてみよう、と思いたったわけです。いくつかの先人の調査、研究を手引きにさせていただきましたが、やはり未開拓の仕事であるということを実感しながら、手探りの作業を積み重ねてきました。宮崎滔天,梅屋庄吉、萱野長知、頭山満、犬養毅、山田良政・純三郎、渋沢栄一、南方熊楠などについてはすでに全集や研究書も多く、なによりも辞典には必ず載っています。今回私たちが調べようとしたのは、辞典にも出てこない無名の日本人たちです。姓名が分っていても、読み方が分からない人々が少なくありませんでした。ともかく、リストを作り、分かるかぎりの情報を提供し、研究者だけでなく多くの市民の方々に見ていただき、さらに皆さまから情報をいただいて、より包括的でかつ正確なものを作っていこう、というのが本冊子編纂の基本姿勢です。まずは、一歩を踏み出したというところです。遺漏や間違いなど多々あろうかと思います。皆さまになんらかのお役にたてることを期待するとともに、皆さま方からも「日本と孫文」に関わるご意見や情報をお寄せ下さいますようお願い申し上げます。

2011年11月


孫文記念館館長


安井三吉

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